令和7年3月31日(月)高円寺南空き家調査発表会

高円寺南地域 空き家調査報告書平成26年11月14日から12月15日までの期間(実働11日・約600時間) にわたり、高円寺南1丁目〜5丁目を対象に空き家調査を実施した。本報告書では、調査結果の概要および行政調査との比較、現地で得られた印象をまとめる。


1.調査概要

  • 調査期間:平成26年11月14日〜12月15日
  • 実働日数:11日
  • 延べ作業時間:約600時間
  • 調査対象地域:杉並区高円寺南1丁目〜5丁目
  • 参考資料:平成25年11月「杉並区空き家実態調査報告書」
  • 基礎データ(平成22年国勢調査)
    • 主世帯数:13,416戸
    • 一戸建数:3,503戸

調査は、杉並区空き家実態調査の「現地調査票」に基づいて行った。


2.当協会による現地調査結果

高円寺南各丁目の空き家件数は以下のとおりである。

地域空き家件数
高円寺南1丁目11件
高円寺南2丁目31件
高円寺南3丁目18件
高円寺南4丁目7件
高円寺南5丁目20件
合計87件

3.杉並区実態調査との比較

参考とした平成25年 杉並区空き家実態調査報告書による高円寺南地域の空き家件数は下記である。

  • 高円寺南1~3丁目(店舗等除外):総数25件、一戸建19件

また、最新の行政データ(杉並区発表)は以下の通りである。

● 平成30年度

  • 住宅棟数:4,974戸(平成25年比 +1,471戸
  • 空き家件数:35戸(同 +16戸

● 令和6年度

  • 住宅棟数:4,996戸(平成25年比 +1,493戸
  • 空き家件数:54戸(同 +35戸

4.行政調査との乖離について

当協会が把握した87件と行政が把握した件数に乖離が見られるが、その理由については未確認である。
想定される要因としては、行政からの通知(お尋ね)に対し、所有者・関係者が「建替え検討中で空き家ではない」と回答するケースが考えられる。


5.調査時の状況・地域の印象

● 調査方法の配慮

  • 調査員はネクタイ・背広着用にて訪問。
  • 近隣住民を見かけた場合は挨拶を行い、空き家状況を確認。
  • 原則、近隣への迷惑を避け、丁寧な調査姿勢を保持した。

※ ただし1件のみ、倒壊寸前の建物を撮影中に所有者と思われる人物から「勝手に写真を撮るな」と叱責される場面があったが、調査の趣旨を説明し了解を得て対応した。

● 地域の環境・空き家の特徴

  • 地域全体として環境は一部損なわれているが、古い建物でも清潔感が保たれている家が多い
  • 長期空き家で所有者と連絡が取れない事例もあり、隣地住民が越境樹木を伐採し、敷地内に戻すなど、最低限のマナーが見られるケースもあった。
  • 権利関係の調査では、相続による共有名義問題外国籍名義人で長期不在のケースも確認された。
    • ただし外国籍名義の空き家でも、門扉にシートが掛けられ清掃されているなど適切に管理されている事例も存在する。

6.まとめ